近年、NISAやつみたてNISA、ジュニアNISAなどで投資デビューをした方はかなり多くなっています。
将来の自分の生活費は年金など国に頼るのではなく、自分で確保する必要がある。このことに気付く人は年々増加し、まずはNISAから始めようという動きが近年盛んになっています。
一方で、2024年からはNISA制度が大きく変更されることが発表されています。それが新NISA制度。
新NISA制度は現行のNISA制度から大幅にアップデートされるため大きな話題になりました。ただ、中にはよくわからない…という方もいるのでは?
そこでこの記事では、2024年から開始予定の新NISA制度について、現行のNISA制度からの変更点や手続きの有無について紹介していきます!
ちなみに僕は大学生のころから投資を開始し、つみたてNISA歴3年目、他にも高配当株投資も2年目になる20代投資家です。
これから投資を始めてみたい方や、すでにNISA口座を活用しているが新NISAが始まることでどう変わるのか知りたい!という方にわかりやすく解説します!
比較できる表も使って視覚的にもわかりやすく解説するよ!
- そもそもNISAって何?
- 新NISAとこれまでのNISAとの違いは?
- 新NISAのメリット・デメリットは?
- 新NISAはどうやって始めればいいの?
2024年から新NISAが開始!
2024年から新NISAが開始されます。
そもそもNISAってなんだっけ??
NISAは「少額投資非課税制度」と呼ばれる投資をおトクに行える制度のことだよ!
NISAは2014年から始まった制度で、正式名称を「少額投資非課税制度」と言います。NISA口座で購入した金融商品から発生した運用益や配当金などの利益には税金がかからないという点で非課税と呼ばれています。
NISA口座以外では利益に税金がかかるの?
原則、投資の利益には約20%の税金がかかってしまうんだ…
税金がかかる口座のことを「一般口座」や「特定口座」と呼ぶよ!
NISA口座には2023年現在で一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類があります。(今回はそれぞれの解説は割愛します。)
そんなNISA口座ですが、2023年で一旦終了し、2024年からは新NISAとしてグレードアップされることが発表されました!これから新NISAの特徴を、現行のNISAと比較してわかりやすく解説していきます!
新NISAの特徴まとめ
- 特徴① 非課税「投資枠」が拡大!
- 特徴② 非課税「保有期間」が無期限!
- 特徴③ 売却すれば投資可能枠が翌年復活
特徴①非課税「投資枠」が拡大!
新NISAの特徴1つめが非課税投資枠が拡大したこと!
「非課税投資枠」?
「非課税投資枠」は金融商品を運用して得た利に税金がかからなくなる制度のことだよ!
本来、投資を行うと、利益には約20%の税金がかかってきます。この税金がかからなくなる制度が非課税投資枠で、NISA口座で投資を行う一番の目的。
つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円。また最長20年間と期間が定められていたため、一人当たりの生涯非課税投資枠は800万円(40万円×20年間)でした。
新NISAではこの生涯非課税投資枠が1800万円と大幅に拡大します!
2倍以上だね!じゃあ、たくさん投資をしても税金はかかりにくいんだね!
そう!年間の上限が360万円と決まっているけど、つみたてNISAと比べると上限を気にする必要がなくなってくるかも!
特徴②非課税「保有期間」が無期限!
「非課税保有期間」?
「非課税保有期間」は運用中の金融商品が非課税になる期間のこと!つみたてNISAでは「投資の利益は非課税にするよ、でもそれは20年間だけね!」という期間が決まっていたんだ!
非課税保有期間とはNISA口座で金融商品を非課税で運用できる期間のこと。NISAやつみたてNISAは投資額の上限だけでなく、投資期間にも限度がありました
NISAは最長5年間、つみたてNISA最長20年間と決まっていたよ!
新NISAではこの非課税保有期間が無期限に!
つまり…どういうこと?
「投資をして○年後にはおろさないといけない…」って考える必要がなくなったんだ!
例えば2020年につみたてNISAで金融商品を購入した場合、どれだけ景気が悪くても20年後の2040年には回収しないといけませんでした。
新NISAではその期限がなくなるため、必要な時まで資産運用し続けることができ、自分の好きなタイミングで回収することができます。長期間の運用はより多くのリターンを生みやすいためこの制度も資産を増やすうえではかなりありがたいです!
特徴③売却すれば投資可能枠が翌年復活
特徴3つ目が非課税投資枠の復活です。
新NISAの非課税投資枠は1800万円。もしも1800万円の上限まで投資した場合でも300万円分売却すれば翌年度以降、空きが生まれた300万円分に再度投資をすることが可能になります。
これまでのNISAでは売却したとしても復活するという制度はなく、一度購入した分は非課税保有期間の上限まで売らずに持っておくというのが基本でした。再投資が可能になることで、急にお金が必要になった時に気にせず取り崩すことができます!
新NISAとNISA・つみたてNISAを比較
ココではよりわかりやすく、新NISAとつみたてNISAを比較してみます!
【表でわかる】新NISAとつみたてNISAを比較
新NISA | 項目 | 現行NISA | ||
成長投資枠 | つみたて投資枠 | 一般NISA | つみたてNISA | |
恒久化 | 投資可能期間 | 2023年まで | ||
無期限 | 非課税期間 | 5年間 | 20年間 | |
240万円 | 120万円 | 年間投資上限額 | 120万円 | 40万円 |
1800万円(成長投資枠の上限は1200万円) | 生涯投資上限額 | 600万円 | 800万円 | |
〇 | 併用 | ✕ | ||
〇 | 枠の再利用 | ✕ | ||
投資信託、ETF、株式投資、REIT | つみたてNISAと同じ商品 | 対象商品 | 投資信託、ETF、株式投資、REIT | 投資信託、ETF |
①成長投資枠とつみたて投資枠の併用ができる!
新NISAでは成長投資枠(≒一般NISA)とつみたて投資枠(≒つみたてNISA)の二つの枠を併用することができます。
これまでのNISAは一般NISA口座とつみたてNISA口座が別の口座になっていました。NISA口座は一人1口座と決まっていたので一般NISAかつみたてNISAのどちらか一つを選ぶしかなかったのです。
新NISAでは一つの口座の中に枠が二つ(成長投資枠とつみたて投資枠)あるため両方の枠を使うことができます。
②年間投資枠、生涯投資上限額が大幅に増加!
特徴でも解説しましたが、新NISAでは年間投資枠と生涯投資上限額が大幅に増加します!
もう一度まとめると次のようになります。
年間投資可能額 | 生涯投資上限額 | |
新NISA | 360万円 | 1800万円 |
NISA | 120万円 | 600万円 |
つみたてNISA | 40万円 | 800万円 |
どちらも大幅にアップし、上限を気にすることなく投資することができるように!
③非課税期間は無期限、投資可能期間は恒久化!
こちらも特徴でも解説しましたが、新NISAの非課税期間は無期限に、投資可能期間は恒久化されます
変更点は次の通りです!
非課税期間 | 投資可能期間 | |
新NISA | 無期限 | いつでも(恒久化) |
NISA | 5年間 | 2023年まで |
つみたてNISA | 20年間 | 2023年まで |
いつでも始めることができ、終わりを気にする必要もなくなるというのは長期投資を前提とした資産運用ではものすごく大きな改善点です。もちろん早く始めればその分、リターンも大きくなるので、「いつでもいいならまた今度にしよ~」とならないように注意です。
新NISAのメリット・デメリット
新NISAがつみたてNISAよりも魅力的なのはわかったよ!でも、他にも投資の方法はたくさんあるよね?それでも新NISAがオススメなの?
新NISAは初めて投資をする人はもちろん、投資経験者にもオススメな投資方法なんだ!ただ、新NISAにはメリットだけじゃなく、デメリットもあるんだ。それぞれ理解して運用しよう!
新NISAのメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
非課税になる金額がつみたてNISAよりも多い 売却して空いた投資枠を再利用できる(ロールオーバー) 対象になる金融商品の幅が広い | 損益通算ができない 選択肢が広がり、投資の判断が難しくなった |
それぞれについて解説していきます!
新NISAのメリット
まずは新NISAのメリットを紹介します。
非課税になる金額がつみたてNISAよりも多い
新NISAは年間360万円、生涯で最大1800万円まで運用金額が非課税になります。これまでの一般NISAやつみたてNISAよりもはるかに非課税枠が大きく、投資初心者はもちろん、ある程度資産が増えている投資経験者でも十分活用できる制度になっています。
年間投資可能額 | 生涯投資上限額 | |
新NISA | 360万円 | 1800万円 |
NISA | 120万円 | 600万円 |
つみたてNISA | 40万円 | 800万円 |
売却して空いた投資枠を再度利用できる(ロールオーバー)
新NISAでは一度購入した枠でも売却することで再利用することができます!
これまでの一般NISAやつみたてNISAでは、売却してしまうと枠の復活はなかったため売却のタイミングはかなり慎重にならざるを得ませんでした。
ただ、新NISAでは「急にお金が必要になり、新NISA口座から100万円取り崩したが、あとで空いた100万円の非課税枠を再度使おう!」といいうことが可能に!もちろん、タイミングは慎重になる必要がありますが、売却へのハードルはかなり下がります!
対象になる金融商品の幅が広い
新NISAでは投資の対象商品が幅広く認められています。
つみたてNISAで見認められていた商品は「投資信託とETF」のみでした。新NISAでは「投資信託、ETF、株式投資、REIT」の4つの商品が投資の対象として認められています。
幅広く金融商品を購入できるようになったのでつみたてNISAよりも使い勝手がよく、他の多くの投資を新NISA口座で行うことができるようになりました。
一般NISAでは投資信託、ETF、株式投資、REITが認められていたよ!
ただ、商品については銀行や証券会社によって大きく変わります。初めの開設の段階で選択を間違えると希望の商品を買えないかも…
どこで開設すべきか悩む方はこちらの投稿でオススメの証券会社を比較しています!口座開設でミスしたくない方は参考にしてください!
新NISAのデメリット
次に新NISAのデメリットを見ていきましょう!
損益通算ができない
新NISAでは損益通算ができません。
損益通算?
もしも投資でマイナスになったときは他の所得からマイナス分を差し引いてくれる制度だよ!
損益通算とは?
100万円投資したが、株価が下がり80万円へと価格が下がってしまった場合、損失分の20万円を他の所得(利益)から差し引いてくれる制度。
これにより、トータルで見たときの支払う税金を減らすことができます!
新NISAではこの損益通算というシステムを使うことはできません。
ただし、そもそも一般NISAやつみたてNISAでも損益通算はできなかったこと、長期投資を前提としている場合、期限のない新NISAではマイナスがないタイミングで取り崩せばいいことを考えるとそこまで気にする必要はありません。
選択肢が広がり、投資の判断が難しくなった
新NISAでは投資上限額や投資の対象が広がったことで金融商品の選び方(ポートフォリオの組み方)が難しくなりました。
特につみたてNISAではこれを買っとけば間違いない!という商品もありましたが、良くも悪くも新NISAでは自由に選択できるようになったので、判断が個々人によってかなりバラバラになります。
中には手数料目当てで本来はおススメできない金融商品を紹介してくる人もいるかもしれません。
投資や金融商品の選び方、知識を身につけることがより大切になってきます。
新NISAを始めるなら今すぐ!
新NISA、良いかも!2024年開始だよね?来年が楽しみだなぁ
もしかして2024年になってから投資を始めようとしてない?実は今年中に始めないと損するよ!
新NISAは2024年に始まりますが、2023年の間につみたてNISA(もしくは一般NISA)を始めるのがオススメ。新NISAの生涯投資上限枠は1800万円ですが、そこにつみたてNISAでの運用額は含まれません。
例えば、2023年中につみたてNISAを40万円運用していた場合、新NISAの上限と含めて1840万円までNISA口座で運用できます。たかが40万円の差かもしれませんが、これを20年間運用すれば100万円以上(+60万円以上)の差になります。
また、あらかじめNISA口座を持っていれば新NISAへの口座移転の必要はないので、2024年からの投資をスムーズに行うことができます!
ただし、証券会社を変更する場合や、今後の変更次第では手続きが必要になるかもしれません。続報が発表され次第追記します。
詳しくはこちらの投稿でも解説しています!
新NISA(つみたてNISA)にオススメの証券会社2選
新NISAに備えて今からつみたてNISAを始めたい!でもどの銀行や証券会社がいいんだろう…
オススメは「楽天証券」か「SBI証券」だよ!
NISA口座を開設するなら「楽天証券」か「SBI証券」がオススメ!それぞれがオススメな理由を解説していきます!
楽天証券
楽天証券の口座開設方法についてはこちらの記事で画像付きで解説しています!一緒にサクッと開設しちゃいましょう!
SBI証券
SBI証券の口座開設方法についてはこちらの記事で画像付きで解説しています!一緒にサクッと開設しちゃいましょう!
新NISAによくある質問
NISAを使った投資以外にも興味がある方や、投資のリスクをなるべく小さくしたい…と思っている方はこちらの記事で投資の大原則、「分散投資」について解説しています!参考にどうぞ!
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